金銭的には公立高校のほうが助かるけれど、それ以外の違いって何かしら?
そんな中学3年生の子どもを持つ保護者の悩みを現役塾講師の筆者が解決します。
志望校を決めるときに悩むのが公立高校か私立高校か。
中学生の子どもを持つ保護者世代が受験生だったころは
公立高校に受からなかった人が行くところ。
と、いうイメージも少なくありませんでした。
しかし現在はそれだけではありません。
20~30年前とは違う私立高校ならではのメリットや特徴、塾通いと併用した場合の費用の差などが出てきています。
それぞれのメリットや特徴を知って、失敗のないように高校選びをしよう。
高校に入学してから「こんなはずじゃなかった…」と後悔するのは避けたいですよね。
本記事では公立高校と私立高校の違いを金銭面以外からも解説します。
さっと読むだけでそれぞれのメリットが分かりますよ。
公立高校と私立高校の受験内容の違い
公立高校と私立高校の入試で違うのは日程と試験内容です。
公立高校と私立高校の入試日程の違い
以前は公立高校を落ちてから私立高校を受けるというスタイルでした。
しかし現在は私立高校のほうが早いのが主流となっています。
スポーツ推薦や専願入試・併願入試など、種類が豊富で何度もチャンスがあるのも特徴です。
私立高校としては優秀な生徒をなるべく早く確実に確保したいわけですから、
入試日程を早めかつ回数を多くしているわけです。
公立高校と私立高校の試験内容の違い
私立高校では特定のスポーツなどによる推薦や、受かったら必ず行きますという専願入試、公立高校を落ちた場合に行く併願入試など入試のスタイルが多岐にわたっています。
試験内容も、学校独自の3科目試験のみ(英・数・国)や、面接と内申点のみなど様々です。
学校独自の試験がある場合は公立高校の入試とは傾向が全く異なるため、それぞれの高校の過去問を入手(書店や高校で購入または高校のホームページから無料ダウンロード)し、対策を練る必要があります。
また私立高校は内申で1や2など特定の評定がついている場合はそもそも受けさせてもらえないところもあるので、早めに確認をしておきましょう。
・私立高校は推薦や専願、併願など様々な入試スタイルがある
・私立高校の入試内容は高校ごとに全く異なる
公立高校と私立高校の授業料の違い 私立高校の授業料は高い!?
公立高校と私立高校の授業料の差は2~3倍ほどと言われています。
授業料だけでなく、制服代などでも私立高校のほうがお金がかかる場合が多いというのが現状です。
最近は奨学金や一定の条件を満たした生徒には授業料免除などを学校独自で設けている私立高校もあるので、条件に該当するか見てみるのも良いかもしれません。
思ったよりは費用が掛からなかった、という嬉しい誤算もあるかも。
しかし基本的には公立高校のほうがリーズナブル。
これには変わりありません。
塾代や通学にかかる時間や金額も考えよう
授業料の免除があったとしても、やはり基本的には私立高校のほうが費用はかかってしまうもの。
しかしそれ以外の条件を忘れてはいけません。
公立高校に通い、塾や予備校に行かせたらータルでは私立高校より高くなってしまった…なんてことも少なくないのです。
そのため、塾に通う予定はあるか、通う場合は費用が大体どれくらいになるかは必ず考えておきましょう。
大学を私立にするか国公立にするか、一人暮らしの予定はどうかばかり気を取られがちで、高校時代の費用に意識が向かない家庭が多いです。
が!!数十万単位(多ければ100万以上)で変わってきますから、ざっくりとでも計画は立てておいたほうが良いでしょう。
また、遠くの公立高校に通うことで通学にかかる費用や時間がかさむ場合も考えましょう。
送り迎えの手間なども発生する可能性を考えて、家庭に負担のない場所を選びたいですね。
・通学にかかる時間と費用も考えよう
・塾代の試算をしてみよう
公立高校と私立高校の授業内容の違い
お金がかかる分、私立高校のほうが授業内容はいいの?
これが絶対そうとは言い切れないのが現実です。
私立高校のほうがコース分けが細かく、自分の目標に合わせたカリキュラムを組みことが可能です。
しかし、最上位の進学コース以外は受験対策が手薄に…なんてことも少なくありません。
その私立高校の「売り」となっている進学コース以外は、教師の質もイマイチで進学実績も大したことはない。
残念ながらこのような私立高校は多く存在します。
逆に定期テストや日々の課題は楽なことが多いため、私立大学への指定校には有利になる場合もあります。
入試などの一発勝負に弱い子どもの場合、定期テストで地道に内申点を稼ぎ、指定校(推薦)で大学を決めたほうが親子ともに楽です。
指定校の条件には高校によって大きく差があるため、進学情報などであらかじめどんな大学へどれくらいの人数が進学しているのかを見ておくとよいでしょう。
公立高校の授業内容は薄いのか?
公立高校だからと言って授業内容が薄いかと言うと、一概には言えません。
定期テストの難易度を上げ、課題を大量に出し「予備校状態」になっている公立高校も存在するからです。
最近こういった予備校状態の進学に力を入れた公立高校が人気、というか流行っているような気がします。
目標としている大学に合ったレベルの勉強が出来るなら、これは大正解と言えるかもしれません。
注意をしたいのはそうでない場合。
結果、必死に課題をこなしているにもかかわらず、それに見合った実力がつかない。
という子どもへの負担が増すだけの高校3年間となってしまう。
また、怒涛の課題についていけなくなことも。
進学校で落ちこぼれてしまうと本人がつらいんですよね。
中学時代は明るく友達も多かった子どもが、どんどん暗くネガティブになっていくのは保護者にとっても悲しいこと。
最終的に「楽しいことは何にもなかった!!」「もう高校なんてやめる!!」となることも。
どちらにせよ、実際に通っている父兄から様子を聞くか、難しいようであれば塾で高校の情報を入手しておきましょう。
1人からではなく、何人かから話を聞けるとなお良いです。
(1父兄からや学校の情報だと激しい偏りがある場合が多いため)
公立高校と私立高校、自分の子どもにはどちらが向いている??
結局、自分の子どもには私立高校と公立高校、どちらが向いているのでしょうか。
おさらいしてみましょう。
チェックする主なポイントを再確認しよう
・大学入試を受けるか
・受けるとしたら国公立か私立か指定校を使うか
・通学が負担にならないか
・高校のカリキュラムは子どもに合っているか
・子供が楽しく通えそうか
実際に通って進路を決めるのはこどもです。
しかし保護者としてある程度の情報は持ち、子どもが迷ったり悩んだりしたときに道しるべとなれるよう準備はしておきましょう。
「高校入試前に大学のことなんて早すぎる…」と思うかもしれません。
実際のところ高校入学して数か月(早いところでは夏休み前)で「理系か文系か、国公立コースか」などの2年生からのコ-スを決めなければならないのです。
普段から子どもと話し合いをしたり、定期テストの傾向から文系理系のどちら向きかを考えたり、高校だけでなく大学や専門学校などの高校卒業後のことに関する情報収集をしておくことが大事です。
そうすることで最終的に「この高校でよかったな」と思える高校に出会えますよ。
子どもは一生懸命、受験勉強をしなければなりません。
保護者である我々も、必要な知識は勉強しておきましょうね。
それでは、今回は以上です。