英語と国語が苦手な中学生がまずやるべき勉強法、それは音読です。

 

英語と国語が超苦手です!
問題を解こうにも全くできません。
何からやればいいですか?

 

 

 

 

結論から言います。

 

 

英語と国語が苦手ならまずは音読をやるべし!

 

 

音読の効果をあなどるなかれ。

 

国語と英語がさっぱりなのであれば、音読で成績は間違いなく上がります

 

 

ええー…やだよ今さら。
音読って小さい子どもがやることじゃん…

 

まあまあそう言わず。

いいこと沢山あるから、とりあえず見てみましょう。

 

 

✔ この記事から分かること

 

  • 音読で成績が上がる理由
  • コミュ力や滑舌(かつぜつ)、なんなら学校生活まで良くなるよ
  • 音読のやり方

 

塾講師歴15年の現役塾講師が解説します!

 

音読で得られる効果がすごい件

 

 

  • 読解力と集中力が上がる
  • コミュ力(コミュニケーション能力)が上がる
  • 滑舌が良くなる
  • ストレス発散になる
  • 学校生活がうまくいく
  • アンチエイジング効果もある

 

筆者 は あやしい
魔法を 使おうと している!!

 

 

ひとつひとつ詳しく解説していきます。

あやしくないし魔法も使いませんよ。

 

 

読解力・語彙力が上がる

読解力とは、相手が伝えようとする言葉の意味を正しく理解する力のことです。

語彙(ごい)力とは、言葉や単語をどれだけ知っているかという力のことです。

黙読と違い声に出して文章を読むと、読み方や意味が分からないものを無視して進むことが出来ません。
そのため、分からない言葉を調べつつ読むことになります。

 

また、文章の切れ目を正しく理解できると、文章を正しく音読することが出来るようになります。
これにより読解力・語彙力が同時に獲得できるのです。

言葉が自分の耳からインプットされると、読解力だけでなくリスニング力も高めてくれます。
英語は特に「読めなきゃ聞けない」教科です。
読めないうちはリスニングもできないままです。
逆に、読めるようになればリスニング力ももれなくついてくるということです。やらなきゃ損、損!

 

集中力が上がる

いざ勉強しようと机に向かっても、問題を読んでいるつもりがぼーっと文字を眺めているだけってことはありませんか? これでは勉強の意味はちっともありませんね。

一方音読は、声に出して読んでいる時点でそれに集中せざるを得なくなります。

つまり苦労しなくても集中できるのです。

音読は黙読に比べて脳の沢山の部分を使うので、長期記憶にも残りやすいようです。

勉強の始めの10~15分ほどを音読に充てると良いですよ。

 

コミュ力(コミュニケーション能力)を鍛えることが出来る

音読にはコミュニケーション力を鍛える効果があることを川島隆太教授は研究により明らかにしました。

音読によってコミュニケーション力を司る脳の前頭前野という部分を活性化させれば、コミュニケーション能力を鍛える効果が期待できます。

また、普段から発声をして音読に慣れてくると、他人と話すことに対する苦手意識が薄れてくるようです。

 

滑舌が良くなる

そもそも滑舌が悪い原因は、舌や口周りの筋肉が弱かったりうまく動かせていなかったりといったことから生じます。

音読を繰り返すことで徐々に筋肉が鍛えられ可動域が広がり、滑舌が良くなるというわけです。

 

ストレス発散になる

音読をすることによって、セロトニンという「幸せホルモン」と呼ばれる物質が分泌されます。

セロトニンはイライラしたり落ち込んだりといった感情の浮き沈みを抑え、リラックスさせてくれます。

そのためストレスの発散になり、溜まりにくくもなります

 

勉強だけでなく学校生活がうまくいく

音読には学校生活をうまくさせる効果も期待することが出来ます。

音読により脳の前頭前野が活性化されるためです。

少し難しい話をします。

脳の前頭前野という部分は、本能を抑える理性の役割をしています。前頭前野が弱い場合、本能が勝ってしまい、感情の抑えがきかなくなります。具体的には、すぐにキレたり視野が狭く自己中心的になったり何かに依存してしまったりということがあります。他にも、気が散る・先延ばし癖がある・ケアレスミスが多い・人の話を聞かない・落ち着きがない・衝動的・刺激を求めるなどといった本能に近い行動が目立ちます。

つまり、前頭前野を鍛えるとこのような癖が改善されるのです。

 

ね、ちょっと興味が出てきたでしょ?

 

音読をすることで、コミュニケーション能力だけでなく、集中力や判断力や感情のコントロールが改善されるため、集団生活を円滑に営むことが出来るのです。

 

✔ 音読をすると…

・友人と意見が対立した時に、相手の話に耳を傾け冷静に判断をし、自分の考えを言うことが出来る
・難しい勉強にも前向きに取り組めるようになる
・上手に気分転換することが出来る

 

アンチエイジング効果もある

この話を生徒のご父兄にしたら「ちょっと先生!メモするから詳しく教えて!」と、生徒の学習相談よりも話が弾みました。笑

これは音読の効果の一つである、セロトニンの分泌によるものです。

最近脳医学の分野で「脳過労」という脳に疲れがたまった状態が問題となっています。
脳過労が起こると物忘れがひどくなったり脳の老化が進むと言われており、30代でも悩まされている人が増えてきました。

「最近物忘れが気になる…」と思ったら、お父さんお母さんも音読を始めてみてはいかがですか?

またセロトニンは、「抗重力筋」と呼ばれる背筋を支える筋肉や表情筋とも直結していて、分泌されることにより背筋がピンとのび、フェイスラインをひきしめてくれるという嬉しい作用も。

 

「そんなの関係ないわ」と、読み飛ばしているそこの中学生よ、20年後には同じことで悩むんだぞ…

 

つまり音読で成績が上がる理由とは…

 

 

色々な効果を話しましたが、音読で成績が上がる理由は

 

集中力・読解力・語彙力を一気に獲得できるから

 

です。

 

こんなに一気に効果のあるものってそんなに多くありません。

なんてお得!

 

コラム:音読と朗読は違う

 

 

ちなみに音読と朗読はどちらも「声に出して読む」ことですが、対象と効果が違います。

音読:文章内容を理解するために、自分に向けて読む
朗読:文章に描かれた心情などを、聞き手に伝えるために読む

 

音読とは、読書などの際に自分が内容を理解しやすいように声に出して文章を読むこと。

文部科学省では朗読と分けて定義されています。

朗読は、目の前にいる聞き手に対して文章の内容に感情をこめて読み伝えることです。作品の内容や解釈を伝える役割もあり、芸術の一種ともとらえられます。劇場などで「朗読劇」があることからも分かりますね。

 

音読の目的が文章の意味をよりよく理解すること、だということからも効果的な勉強方法であることが分かります。

 

 

音読のやり方

 

 

音読には効果的なやり方があります。忙しくても取り入れられる音読の仕方や、声に出して読むことに苦手意識がある人でも続けられる効果的な音読のコツをお伝えします。

ちなみに座って読むより立って読んだほうが、さらに脳に刺激が与えられるため効果が増しますよ!

 

音読する時間と期間

音読に最も効果的なのは「朝」です。
1日の始まりに脳を活性化させれば、頭がすっきりして日中の活動のパフォーマンスを上げられます

川島隆太教授によると、1回の音読にかけたい時間は「10~15分。とりあえずこれを一か月続けてみて下さい。実験では、記憶力が上がり脳を鍛える効果が見られたようです。

始めはゆっくり、慣れてきたらだんだんスピードを上げていくのが効果的です。

 

大きな声を出さなくても効果的なのは「耳栓」

 

 

1人で大きな声を出して音読するのはなんだか気恥ずかしい、そういった場合は耳栓やヘッドフォンをして小さな声で読むのがおすすめです。大きな声より疲れないのもGOOD。
耳栓をした状態で音読をすると、ささやき声でも骨伝導によって声が頭の中で大きく響くため、集中力がアップします。

耳栓がなかったら、手で軽く耳をふさぐだけでも違いますよ。

 

高速音読の効果もすごい

「高速音読」という頭の回転速度が速くなる音読があります。
齋藤孝氏の著書『齋藤孝の速読塾』を参考に、高速音読のやり方をまとめてみました。

 

  1.  一気に(一息で)3~4行分を読む
  2.  読んでいる文章から3~4行先まで目に入れる
  3.  テンポよく読む

 

そんなハイレベルな!

これは、おそらく出来るようになるのはかなり大変でしょう。

 

しかし数年先、大学入試を受ける可能性があるのであれば、自分のものにしておくと良いです。
大学入試の英語の長文や現代文はスピードとの戦いです。

そんな先のこと…と思わずこの3つを意識しておくと、音読の効果に加え速読も身につきます

 

まとめ:音読をやれば英語と国語が全くできない状況から抜け出せます!

 

まずは目の前の問題、英語と国語が出来ないということの解決策ですね。

今までの話をまとめると

 

  1.  教科書の音読によって自分の分からないところがはっきりし、内容も覚えやすくなる
  2.  音読は集中力を高めるのにも良い
  3.  朝10分ほどするのが一番効果的

 

 

音読はすぐにどこでも始められるのに、非常に効果的な勉強法

 

って、何度言ってもしたがらない子もいるんですよね。

 

でもとりあえず一度やってみて下さい。

その後の勉強の集中力に差が出ますよ。

基本的にコツコツやって、しばらくしてから効果が出るのが勉強ですが、

こんなに即効性のあるものは、なかなかありません

 

悩むネコ
悩むネコ
お金も時間もかからないし、とりあえず試してみるか

 

さあ、早速そこらへんに放り出している教科書を手に取って、読んでみましょう!

 

 

今回はこれで終わりです。

 

 

お疲れさまでした。

 

【参考文献】

Study Hacker|勉強嫌いも関係ない! 京大生おすすめの『とりあえず音読』勉強法のすごいメリット

Study Hacker|理解と定着にはやっぱり “音読” が効く! 京大生がおすすめする『音読勉強法』

Book Off|脳トレやコミュ力UPにもつながる!「音読」の効果

髙橋麻衣子(2013)「人はなぜ音読をするのかー読み能力の発達における音読の役割」教育心理学研究,2013年61巻1号,pp.95-111.

川島隆太,安達忠夫(2004),『脳と音読』,講談社.

 

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