中だるみする、と聞くけど本当?
原因は何? 解決策はあるの?
こんな悩みを解消します。
現在も中学生を中心に、小学生から高校生まで幅広く生徒や保護者と関わり、毎日授業をしています。
中学2年生になったら成績がガクッと落ちた、という話を聞いたことはありますか?
中学生活にも慣れ、気が緩む時期。
勉強は一気に難しくなるのに平均勉強時間は減る、というおそろしい統計データも出ているんです。
「まだいっか」と、思っている人ほど要注意。
中学2年生で中だるみしてしまうと、3年生つまり受験生になってからの勉強がものすごく大変になります。
今回は中学2年生で中だるみしてしまう原因3つと、中だるみの対処法を解説します。
正しい対処法を知り実践することで、中だるみの予防ができたり悪化を防いだりといったことが可能になります。知っておいて損はないですよ。
✔この記事で分かること
- 中2になると成績が下がる理由は大きく分けて2つ
- 中だるみの原因3つ
- 中だるみの対策
中2になると成績が下がる?
なぜ、中学2年生が中だるみする。成績が下がると言われるのでしょうか?
中2の成績は、上がる場合と下がる場合と大きく分かれる
下がる人がいるということは、一方で上がる人もいるということです。
ただ、この差がはっきりつくのが2年生。
1年生の時は大して勉強せずに定期テストで点を取れていた子どもが、
2年生の第2回・第3回のテスト(夏休み明けや秋のテスト)で撃沈します。
1回目のテストは1年生の復習や簡単な計算問題が多いため普通に点を取れてしまうのがまた問題なのです。
中だるみなんて迷信だ、自分は大丈夫だと安心してしまうからです。
中学2年生で成績が下がる原因
原因は大きく分けて2つあります。
1つは中だるみ。
もう一つは、勉強内容の難化と勉強時間の減少。
ダブルで襲われたら、成績は間違いなく下がります。
表面的な定期テストの点数はキープ出来ても、
受験生になった時に模擬試験を受けて初めて表面化してくるパターンもあるので注意が必要です。
中学2年生で習った部分で全く点が取れないという状況に、模擬試験の結果を見て初めて気づくのです。
それでは2つの原因について詳しく見ていきましょう。
勉強が難しくなる一方、勉強時間は減る
ベネッセが2016年にした調査結果からも、中2の勉強時間が中学生活の中で1番短いことが分かります。
加えて、勉強内容は中1に比べ難しくなります。
数学では「連立方程式」「一次関数」「証明」など、高校入試では必須の単元が盛りだくさん!
特に2年生の後半で習う「証明」は、高校入試において配点が高く、減点のルールが細かく決められているため、自分で勉強するのが最も難しい分野となっています。
英語は、積み重ねの教科です。
どこかでつまずくとそれが積み重なり、すべてが分からなくなるという恐ろしい負の連鎖が始まります。
中学1年生の英語の範囲は小学生の時に塾や学校で予習済みであることが多く、すんなりと覚えられますが、
中学2年生になると、初めて目にする「不定詞」や「動名詞」「比較」といった複雑な文法が出てくるため、一気にこんがらがるのです。
参考資料:学習時間(2016)
中だるみする
学校生活に慣れてきて、子どもも保護者も気が緩むのが中学2年生。
「来年は受験生だし、今年はゆっくりしよう」
「来年になったら塾に通えばいいか。今から通うのはお金がもったいない」
なんて思っていませんか?
1年間のんびり過ごす場合と、「猛烈に勉強」とまではいかなくても最低限を積み上げた場合では
想像以上に大きな差がでます。
教育費の面から考えても、中学3年生というのは塾でも通信教材でも価格が1~3割上がるのが一般的。
中3からの入塾は更に授業料が割高になるところも数多くあります。塾側からしたら、受験生になってから3年間分の勉強を教えなければならず、労力が倍以上になるからです。
つまり、受験生になってから1・2年の復習にお金と時間を費やすより、2年生のうちに基礎を固めておいたほうが結果的に安価に済むというわけです。
中だるみの原因3つ
ひとことで中だるみと言っても、内容と原因はさまざま。
子どもによって当てはまる部分も違います。
3つに分けてみていきましょう。
- 学校生活に慣れてくる
- 効率が良くなる
- 部活や恋愛・友達関係などが充実してくる
中学2年生は学校生活に慣れてくる
1年生の時は何もかもが初めてで、緊張感をもって生活を送ることが出来ます。
それが2年目となると「大体こんなもん」と予測を立てられるようになり、気持ちに余裕が生まれます。
「中学校の勉強って難しいのかな」「先生は厳しいのかな」と不安を抱えてのスタートが、1年経ったら「意外と大したことなかった」となるわけですね。
これに拍車をかけるのが後輩の存在です。
ドキドキ、ビクビクしている新入生を見て「中学なんて余裕だよー」と先輩風を吹かせたくなっちゃう。
そして「慣れている」ことを後輩に見せているうちに「やらなくてもいっか☆」と謎のポジティブ変換をしてしまうんですね。
中学2年生は効率が良くなる
勉強に対しての慣れは、効率アップにもつながります。
…と書くと、普通に良いことに見えますね。
しかしここで言う「効率アップ」とは「手抜き」と同意語です。
「あの先生は提出物を出さなくても文句を言わない」
「この授業ではぼーっとしていても大丈夫」
と、とかく省エネに走りがち。
その省エネ分を「部活に全力投球する」だとか「将来なりたいものについて勉強する」とかに振り分けるのであればそれは有意義なことですし、一度しかない中学生活を素晴らしきものとしてくれるでしょう。
しかし大半は、スマホやゲーム・テレビなどの勉強からの逃避に費やしているのです。
たった3年間しかない中学生活の中の1年を、なんとなく過ごし無駄にしてしまうのはもったいないことです。
中学2年生は部活や恋愛・友達関係などが充実してくる
中学1年生と比べて断然忙しくなるのは、部活です。
練習は厳しくなり、後輩の指導もあり、試合やコンクールに出る回数も増えます。
当然、身体はクタクタ。
家に帰ってきたら、勉強なんてやる余力はこれっぽちも残っていません。
(しかし、テレビやスマホを見る余裕はある。そして親に怒られ、勉強する気は0になる)
たまにある部活のオフは、友人と遊んだり彼氏彼女とのデートに大忙し。
やりたいことだらけで、勉強に手が回らないのです。
そんな青春の日々をすべて捨てて勉強しなさいなんて言うつもりはありません。
しかしですね、やるべきことはやっておかないと、
サボっていた分は2倍いや3倍ほどに膨れ上がって自分に返ってくるのです。
楽しかった日々が後悔に代わるのは悲しくないですか?
遊びや部活に全力になるのなら、勉強にも全力を尽くしましょう。
そのほうが、毎日は充実して楽しくなりますよ。
嘘だと思うかもしれませんが本当です。
中学2年生の中だるみの対策
中だるみはいかん!ということはお分かりいただけたでしょうか。
そうしたら、次は対策を練っていきましょう。
すべて実行する必要はありません。
出来そう、自分に合いそうと思うものからチャレンジしてみてください。
勉強の場所や時間を変えてみる
「自分の部屋で勉強していたらいつのまにか寝てた」
「スマホをいじってたら一瞬で1時間が過ぎた」
中学2年生ってとにかく眠いんですよね。
そして興味のあることには抜群の集中力を発揮したりします。
成長期だから仕方のない部分もありますが、そこは少し工夫をしていきたいところ。
- 勉強の場所をリビングや図書館、塾などに変える
- 夜は眠気に勝てず効率が悪いようなら、朝早めに起きて勉強する
- スマホやテレビは勉強が終わるまで見ない、または使っていい時間を決める
毎日習い事で予定がミッチリという場合は、本当にやりたいこと・必要なことはどれかを考え、量の調整をしたほうが良いかもしれません。
どれも中途半端で成績も落ちてしまったら、良いことなしです。
新しい刺激を得てマンネリ脱却
「慣れ」は一番の中だるみの原因です。
- 新しい塾に無料体験に行ってみる、夏期講習などを受けてみる
- 通信教育やオンライン塾を始めてみる
- 全国模試や英検に挑戦する
- 海外ホームステイなどで、新しい世界を知る
このように、新しいことを取り入れて、マンネリ化を防ぎましょう。
志望校を明確にする
志望校がはっきりしていないと、勉強にも身が入りません。
「まだ先の話」と、ぼんやり近くの高校や知り合いが行っている高校を考えているだけになっていませんか?
実際に高校について調べてみましょう。
どんなコースがあるのか、進学や就職は?
高校のホームページを見たり、資料を取り寄せたりして候補を絞ったら、
次は実際に高校に行ってみるのをお勧めします。
足を運んでみると分かることも沢山あります。
通学しやすい、しにくい。生徒の雰囲気が良い悪い。などです。
説明会以外にも文化祭や体育祭も顔を出してみると、より高校生活の具体的なイメージが沸いて良いですよ。
まとめ:中学2年生の中だるみは対処が必要
もう一度おさらいしましょう。
中学2年生で成績が落ちる原因は、
中学2年生の中だるみの対処法は、
「まだいいか」でなく、中2こそ進路の分かれ目です。
受験生になってから2年分の復習と3年生の勉強を並行して行うのは超大変。
中3になってからでいいかと思っていることは今すぐ始めましょう。
そして、後悔のない充実した学校生活を送りましょう。