塾を選ぶとき何で決めていますか?
「近いから」「友達が行っているから」「チラシが入っていたから」など安易な理由だけで決めようとしていませんか?
塾はそれなりに予算がかかるものですし、一度入るとやめるのも手間です。
一度しかない学生生活と受験を失敗したくないですよね。
それぞれのメリットデメリットを確認して自分の子どもに合ったところを選びましょう。
失敗しないためには、特にデメリットに注目してみてください。
メリットは知っていることが多いかもしれませんが、デメリットは意外と穴になっていることが多くなっています。
広告は良いことしか書かれていないですもん。
塾選びのポイント9つ
- 近い
- 友達が通っている
- 友達が通っていない
- 合格実績が高い
- 大手
- 中・小規模
- 安い
- 新しく設備がきれい
- 昔からあり講師がベテラン
これらのメリットデメリットを見ていきましょう。
少し長くなりますが、どれも重要です。
将来を大きく左右する学生生活と受験に失敗しないために、
保護者であるあなたがまずはしっかり塾選びについて勉強しましょう。
家や学校から近い
メリット
- 通塾時間が短くて済むため、その分勉強時間に充てられる
- 送り迎えの必要がなく、自主的に通いやすい
- 送迎の手間など父兄の負担が少ない
平日、学校から帰ってきてから寝るまでの時間は限られています。
そんな中、いくら評判がいいからと言って片道1時間かかる塾に通うとなると往復2時間は無駄になってしまいます。
それであれば近くの塾で、その時間も自習や授業に充てるほうがずっと効果的と言えるでしょう。
また、自習に行こうかな、と思った時にすぐに行ける環境というのは本人のモチベーションの維持にも役立ちます。
デメリット
- 家から近すぎると、気分の切り替えが難しい
子どもにとって塾は、日常生活とは意識を変えて勉強するところです。
それが近すぎることによって家での延長のようになってしまい勉強に身が入らないとなったら通う意味は薄くなってしまいます。
友達が通っている
メリット
- 友人と切磋琢磨することによってモチベーションのアップ・維持ができる
友達が通っているとなれば、通う前にある程度の情報が得られます。
どのような授業形態か、講師はどうかなど自分の子どもを通わせたい目的と合っているかどうかを確認しておきましょう。
一緒に頑張ることのできる友人がいることは、子どもにとってとても心強いものです。
特に、塾に通うことに消極的だったり人見知りが激しい子どもの場合、友人が通っていることは大きなメリットとなります。
デメリット
- 自分のこどもの目的と塾の目的が必ずしも一致するとは限らない
通っている友達の目的は塾の目的と一致しているからと言って、それが自分のこどもにも当てはまるとは限りません。
「有名進学校に受かりたい」のか「日々の授業に遅れずついていけるようにしたい」のか、
など、通う目的は様々です。
友達が通っているから、ではなく自分の子どもに合っている塾を選びましょう。
友達が通っていない
メリット
- 周りを気にすることなく、勉強に集中できる
友達がいると気が散ってしまったり、おしゃべりばかりになる子どもも多くいます。
また、子どもが自分の出来不出来を知られたくない場合は、知り合いがいないほうがリラックスできるといったこともあります。
勉強が苦手だったり学校になじめていなかったりという場合はあえて友達のいない塾にするといった選択肢も持っておきたいものです。
以前、ほとんど学校に行けていないというお子さんが来ていたことがありました。
しかし知り合いが一人もいないからか、のびのびと楽しそうでした。
学校とは全く違う場を作るというのも、思春期の子どもにとって良い気分転換となることがあります。
デメリット
- 誰も通っていないのには何か理由がある
誰も通っていないのには「遠い」「先生が厳しい」「宿題の量がものすごく多い」「授業がハイレベルすぎる」など、何か理由がある可能性があります。
その理由が自分の子どもにとってどうなのか確認しましょう。
また、周りから話が聞けない分、情報収集はしっかりしておきましょう。
合格実績が高い
メリット
- 良質な授業・有能な講師がそろっている
実績があるということは、そうしてくれるだけのカリキュラムや環境が整っているということです。
目標とする学校への合格実績の高さは魅力的ですね。
デメリット
- 見かけの数字に惑わされる場合がある
「難関○○高校合格者20名!」
などと書かれていると非常に素晴らしく見えます。
しかしその数字は確率的にどうなのでしょうか。
塾生何人に対しての20名なのでしょうか。
200人いるうちの20人と、40人のうちの20人とでは大きく違いますよね。
また、私立高校の合格実績は公立高校と重複している場合があります。
1人の優秀な生徒が何校も受かっているのを、何人もの生徒がそれぞれの高校に合格したと錯覚してしまうことも少なくありません。
「受験生が何人で」「どんな割合でどこの学校に受かったのか」確認しないと本当のところは分かりません。
良い情報だけが目立つように書かれていることも多いのです。
魅力的な情報ほど、数字に惑わされないようにしましょう。
大手
メリット
- 有名校に多くの合格者を出すノウハウがある
- 交通の便が良い
- 質の高い講師がそろっている
- レベル別の授業などカリキュラムが豊富
- 切磋琢磨できる友人がいる
- 事前にチラシやホームページなどから塾の方針など情報収集をしやすい
安心材料が多く揃っていることから、多くの人が第一選択とします。
デメリット
- 実績を出すために有能な講師は上位のクラスを受け持つことがある
- 教室や講師によって指導にばらつきがでる
- 課題が多かったり厳しかったりで脱落する可能性がある
- 分からないところを個別に指導してもらえない場合がある
- 人数が多く講師がなかなか回ってこない
- 学校の進度と合わない場合がある
大手であることに安心して塾に任せっきりになり、気づいたら成績が激しく落ちてしまった、という話をよく耳にします。
それにはたくさんの理由があるのです。
よくある例としては、
一回の授業は90分だがそのうち半分は自習。
うたた寝していてもそのまま放っておかれる。
分からないところがあっても、質問の機会が少ない。
いろいろな学校の生徒がいるため、自分の学校の授業とは全然違う場所をやっており、定期テストの対策がない。
といったところです。
これらは、手遅れになってから生徒本人に親が初めて聞いて驚くパターンが大多数です。
「塾に行っているのになんで成績が上がんないの!!あなたの努力が足らないのでしょう!」などと言われるとこどもは言い出せなくなってしまうこともあります。
ただ、塾ではちゃんと指導しているのにサボっているのを塾のせいにするこどももいるので判断が難しいところです。
定期テストで問題なく点が取れている場合は良いのですが、そうでなかったら要注意です。
最近の高校入試では、以前よりも内申点を重視する傾向にあります。
入試の一発勝負ではなく、日々の積み重ねもしっかり評価されるのです。
まずは定期テストでしっかり点を取り、提出物は期限内に出すことが大事です。
内申点の割合は都道府県によって異なるので、把握していない場合はまず確認しておきましょう。
中・小規模
メリット
- 通っている学校の定期テスト対策がしっかりしている
- 少人数クラスや個別が多いので、講師とのコミュニケーションがとりやすい
- 1人1人に丁寧なサポートがある
- 分からないところをすぐに質問できるため、時間のロスが少ない
同じ単元であっても定期テストの傾向は学校によって異なります。
それぞれの学校に合わせた対策ができるのは中・小規模の塾の大きな強みです。
また、人前での質問が苦手な場合も個別で講師と1対1であれば話がしやすく、必要なところだけ解説をしてもらうことができます。
時間の変更や振り替えがしやすかったり、学校の宿題で分からないところがあったら教えてもらえるなど、臨機応変に対応が可能なのもメリットと言えます。
デメリット
- 合格実績は少ない
- 個別対応だと、他の子どもとの競争心は生まれにくい
- 講師との関係が密になりやすく、なれ合いになってしまう可能性がある
- 大手に比べて授業が割高になる場合がある
- 自習時間や場所が十分でない場合がある
生徒数が少ない分、合格実績が多くないというのがデメリットです。
実績を公開していない場合も多いため、問い合わせの段階で聞く必要がでてきます。
また、順位や成績別にクラス分けがされないぶん誰かに「負けたくない!」という闘争心に火が付きにくいかもしれません。
ただ順位化については、子どもによって大きなストレスとなる場合が少なくないので、自分の子どものタイプとの相性を考える必要があります。
講師とのかかわりが深くなり、なれ合いで授業がいい加減になってしまうこともあります。
個別授業が大学生アルバイトだと年齢が近いこともあって、この傾向が顕著にみられます。
個別指導や小数人数での指導は、丁寧になるぶん指導料が高くなりがちです。
通い続けられるか、予算との相談も大切です。
小さな塾だと自習のための時間やスペースが限られている場合があります。
授業の前後や、ない日に自習をすることが可能か、開いている時間帯はどうかも確認しましょう。
安い
メリット
- 家計への負担が少なくて済む
デメリット
- 講師の質が低い
- 授業料以外(教材費や講習代)が割高
授業料が安いということは人件費が抑えられているということです。
塾業界では有能な講師は大手や給与条件が良いところへ引き抜かれていきます。
また、チラシでは安く見えてもその他の諸経費が高額で結局割高になったり、指導時間が極端に少なかったりということもよくあります。
年間を通してどれくらいの費用が必要なのか、確認しておきましょう。
安かろう悪かろうは一番お金の無駄!
新しく設備が整っておりきれい
メリット
- 勉強する環境が整えられている
まるでカフェのような自習室や、入退室時間を通知してくれるシステムがある、など最新の設備が整っていると通うのも気分が良いものです。
快適な学習環境は、効率的に勉強をするうえで欠かせません。
デメリット
- 新しい分、講師もキャリアがない可能性がある
- 以前は違う塾で、何らかの理由で名前や設備を一新した可能性がある
新しい塾の場合、実績がないのも不安ですが、講師も慣れていない場合があります。
担当する講師のプロフィールは確認しておきたいところです。
また、怖いのは業績不振や不祥事(生徒と講師が恋愛関係になったなど)があり、塾名や内装を一新して何食わぬ顔でオープンし新規生徒募集をしている場合です。
検索をかけると出てくることもあるので、新しいところほど注意が必要です。
昔からあり講師がベテラン
メリット
- 指導経験が豊富
初めて生徒を指導する講師と、何十年の多くの生徒を見てきた講師、どちらかと言ったらベテランの講師のほうが知識も教え方も上です。
長年指導してきたからこそ、生徒の分からない点に的確な指導ができたり、親としても安心して相談をすることができたりします。
学生に白衣を着せて丸つけ係として指導に当たらせているようなところも少なくありません。
そんな中、講師の実績というのは無視できないものです。
入塾の際はどのような講師が担当になるのか確認しましょう。
デメリット
- ベテラン=有能とはかぎらない
- 講師の年齢層が高いと授業がつまらなく感じる場合がある
- 変わりゆく教育体制に対応できていない場合がある
残念ですが、ベテラン講師が必ずしも皆有能とは限りません。
同じ授業を何十年も繰り返すのみで、情報のアップデートが出来ていない講師も多数います。
そうなると一人一人の生徒に臨機応変に対応することができなくなります。
また、高齢の講師の場合世代間ギャップも大きくなり、分かりやすく面白い授業できなくなる場合もあります。
もちろんベテランならではの名物講師はたくさんいるので、その講師の授業が子どもに合うか、入塾を決める前に体験授業などをおすすめします。
まとめ
残念ながら万人に合ういわゆる「良い塾」というものはありません。
何が自分のお子さんに合うかを考え、デメリットの極力少ないところを選びましょう。
どこまでがこどもを甘やかすことで、何が厳しすぎるかというのを判断するのはとても難しいことです。
そんな中、最後までこの記事を読み(もしかしたらメモも取り)
これから塾探しをしよう、または今行っている塾を見直そうと思っているあなたは十分に素晴らしく、
お子さんのために少しでも多くの未来の選択肢を用意する手伝いが出来ているはずです。
お疲れさまでした!